人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.95「本当の学問」

君子固(もと)より窮す。小人窮すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。
『論語』

これは『論語』衛霊公篇にある言葉です。

流浪の旅に出た孔子の一行は、
衛という国を去って楚という国に向かう途中、
陳という土地で戦争に巻き込まれて足止めをくらいます。

1週間ほども飲まず食わずの状態が続き、
遂に立ち上がることもできなくなる者も出て、
一行は餓死寸前の窮地に追い込まれます。

そのとき、孔子の一番弟子であり、
孔子に物を申すことができる唯一の弟子でもあった子路が、
怒りを堪えきれずに孔子に食って掛かります。

「先生は日頃、君子であれと仰っていますよね。
君子と言われるような人が
窮地に立たされることがあり得るのでしょうか?」

このときの子路の言葉は相当に荒々しかったろうと想像できます。

これに応えて孔子が発した言葉が上記の言葉になります。

「子路よ、君子といえども窮地に立たされることはあるだろう。
だけどね、窮地に立たされたときに濫りに騒ぎ立てるのは小人というものだよ。
君子は決して心を乱したりしないものだよ」

これを聞いた子路は、深く反省し、仲間のところに戻って、
この場を何とか乗り越えようと檄を飛ばしたことでしょう。

孔子も言っているように、
苦境や逆境をまったく経験したことが無い人はいないはずです。

若い方であれば、
これから先の人生できっと厳しい時を経験することになるでしょう。

そんなとき、誰しも心を乱して、
なぜ自分だけが不幸な目に遭うのかと天を呪いがちです。

しかし学問をしている人は、
どんな逆境であっても泰然自若の心持ちで乗り越えることができるのだと、
孔子は教えてくれます。

なぜ人は学ばなければいけないのか?

その答えがこの孔子の言葉にあります。

孔子の流れを汲む荀子もこう言っています。

君子の学は通ずるが為めに非ず。
窮するとも困(くる)まず憂うるとも意の衰えず、
禍福終始を知りて心の惑わざるが為めなり。

訳せば下記のようになります。

君子の学問とは、立身出世のためにするのではない。
窮するときも苦しまず、幸福なときも驕らず、
物事には始めがあれば終わりがあることを知って、
どんなときも平静な心で対処できる人間となるために学ぶのだ。

本当の学問とは、自分を立派に飾り立てるためにあるのではなくて、
苦境や逆境に及んで惑うことのない様に
心の準備をするためにあるのだ、と荀子は教えてくれます。

人生学を学び続けて、何事にも乱れない心を手に入れたなら、
本当に幸せな人生を送れるはずですね。
筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 清水 裕一(しみず ひろかず)
http://www.ningenjuku.net/qualified-list/
発行人: 一般社団法人 人間塾 代表理事 小倉 広(おぐらひろし)
http://www.ningenjuku.net/company/
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編集後記

認定講師の清水裕一です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

今回も『論語』の一節を取り上げてみました。

『論語』は、親と子、夫婦、恋人同士、友人同士、上司と部下、
同僚などなどありとあらゆる人間関係に悩む人に、
解決のヒントを与えてくれる「人生の教科書」です。

私はかつて仕事上で大きな挫折を味わいました。

そして『論語』に救われました。

そんな経験から、
もっと『論語』の素晴らしさに気づいてもらいたいとの想いで
、現在私は、東京・大阪・名古屋で『論語』の読書会である
「潤身読書会」を主催しています。

事前知識不要、手ぶらで結構です。
『論語』にご興味のある方は、是非ご参加ください。

<東京>
 
  第13回東京潤身読書会
日時:12月18日(日)9:00~12:00
  場所:人形町区民館
(東京メトロ日比谷線人形町下車A1番出口 徒歩3分)
  https://www.facebook.com/events/277117832689392/

<大阪>
  第11回大阪潤身読書会
日時:12月4日(日)10:00~16:30
  場所:第6松屋ビル
(地下鉄谷町線/中央線「谷町四丁目」駅 徒歩4分 8番出口)
  https://www.facebook.com/events/906095536190943/

<名古屋>
  第34回潤身読書会
日時:12月17日(土)13:30~16:30
  場所:文化のみち双葉館
  https://www.facebook.com/events/1169582536462849/


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