人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.9「 忘れられない一本の傘 」

         vol.9「 忘れられない一本の傘 」

お前たちをどんなに深く愛したものが
この世にいるか、或いはいたかという事実は、
永久にお前たちに必要なものだと私は思うのだ

           小さき者へ/有島武郎

「何で来たんだよ。早く帰れよ!
誰かに見られたらみっともないじゃないか!!」
私は祖父に強い口調でこう言ってしまったのです。

あれは、中学2年生の時。
その日は朝から天気がよかったのですが、
午後から「バシャ、バシャ」と音を立てるほど
強い雨が降ってきました。

学校に出発するときは晴天だったため、
傘は持ってません。

授業に集中もせず、雨模様ばかりを気にし、
濡れて帰るか、忘れ物の傘でも使おうかと考えてました。

休み時間に廊下に出て歩いていると、
見覚えのある姿が・・・。

「あれ・・・おじいちゃん!?」

片手には傘を持っています。

「傘もって出なかっただろうから、持ってきたぞ」と言って、
傘を渡してくれました。

しかし私は・・・、
「何で来たんだよ。早く帰れよ!誰かに見られたらみっともないじゃないか!」
と言ってしまったのです。

自分のおじいちゃんが傘を持ってきたところを
友達に見らたら恥ずかしい。
とにかく早く帰ってほしいと思ってしまった・・・。

祖父はそんな私の反応を気にするでもなく、
ニコニコしながら帰っていきました。

20年以上前の出来事ですが、今でも鮮明に覚えています。
申し訳ないことを言ってしまったなと・・・。

私は生まれてから、
23年間祖父と一緒に暮らしていました。

38歳になり、自分に子供ができ、
傘をもってきてくれた祖父の想いが痛いほど分かります。

おじいちゃん、本当にありがとう。

雨の日(逆境・苦しい時)に誰もが
傘を差し出してくれるわけではない。
ましてや傘を取り上げられる事もあります。

ただもしそんな事があったとしても、
私には雨の日に傘を持ってきてくれた人がいたことを
いつまでも忘れないでいたいと思います。

自分を大切にしてくれた人がいた事実は
うまくいかない時、つらい時、
前に進む勇気を私に与えてくれるのです。

育ててもらった祖父に、
今も守ってもらっているのかもしれません。

筆者:一般社団法人 人間塾 人生学認定講師 三好清太郎(みよしせいたろう)
⇒ http://www.ningenjuku.net/qualified-list/

編集後記

最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。
人生学認定講師の三好清太郎です。

祖父との思い出は38歳になった今でも色あせず、
私の中に生き続けています。

父が詩人という収入が不安定な職業だったため、
祖父は生活の援助や私の学費も出してくれてました。

今、こうして元気でいられるのも祖父のおかげです。

昨年12月に子供が生まれたのですが、
まだ和歌山のお墓に報告に行けていません。
来年までには報告に行きたいと思っています。

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