人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.72 「 今出来ること」

vol.72「今出来ること」

 「勉強が苦手なんじゃなくて、勉強したいことが見つかってないだけだ。」
                     ~東野圭吾【夢幻花】より

普段採用の仕事をして、年間平均600人程度の学生さんと話す機会がある中で、
自分のやりたいことが明確な学生さんは全体の1割に満たないと体感している。
「これがやりたいのです」と明言する学生さんであればもう少し数値は変わってくるが、
少し突っ込んでいくと、そうでもないことや、少し違うと本人が気づく場合が多い。

私もこの年齢の時はそうだったな。と今は思えるようになった。

全く未経験で採用の仕事についた時は、どうしてよいのかわからないことだらけだった。
そもそも、可能性という点においては全員等しく未知数。
自分の未熟さは棚に上げ、必死に学生さんに○と×をつけた。
私が人を評価するなんておこがましい。と思いながら。

ある時は、代表からの唯一のお願いである、「上から目線の人事にはなってくれるな」
ということを忘れて、どんどん×をつけた時もある。

「仕方ない。これが私の役目なんだ」と言いきかせながら。

けれども採用を続けていく中で、
「若いくせに」「何も知らないくせに」という気持ちが強くなっていた時があった。
その気持ちを若者は敏感に察知する。
逆にどんなに厳しい事を言ったとしても、私に応援するという気持ちがあれば、
それもきちんと伝わることを知った。

「そうなんだ!」
「いいね!」

その一言で、表情が変わる子を何人も見てきた。
「私はこう思うけど、貴方はどう?」
と問い掛けることで、目つきが変わる子を何人も見てきた。
「つらかったんだね」と寄り添うだけで、泣き出す子もたくさんいた。
人は否定をされれば誰でも辛い。
正論を言われても出来ないときもある。
夢を持てと言われても、その夢が見つからずに悩んでいる子がたくさんいる。
平気そうな顔をしているけど、すごく傷ついていたり、必死でその自分の出した
答えにすがっている子もいる。

それがわかってからは、まずはフラットな状態で話を聞いて、良いなと
思ったところは素直に言葉にして伝える事を心がけた。
わからないところは教えてくださいと頭を下げられるようになった。

そんな中で、元気な学生さんが増えてきた。
今日の説明会に来て良かったと言ってもらえることが増えてきた。

若者が元気にならなければ、企業の未来はない。
企業が元気にならなければ、日本も元気にならない。

そのために、私も元気でいよう。1人でも若者に元気になってもらえるよう、
私も笑顔でいよう。
必死に仕事をしよう。
かっこいい大人が、楽しそうな大人が増えれば、きっと若者は元気になる。

~夢幻花より~
「勉強が苦手なんじゃなくて、勉強したいことが見つかってないだけだ。」
「そうかな。あたしにも、そんなものがあるのかな」
「それがない人間などおらんよ。但し、見つけるのはちょっと難しい。
探そうとしないことには見つからん、焦ることはないさ」

筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 鈴木 淳子(すずき じゅんこ)

発行人: 一般社団法人 人間塾 代表理事 小倉 広(おぐらひろし)
http://www.ningenjuku.net/company/

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編集後記

認定講師の鈴木淳子です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

仕事を通して、自分の未熟さを実感し、
学び、学べば学ぶほど、さらに自分の未熟さを実感するという繰り返しの日々です。
歩みは遅く、理解も浅いようです。

でも、確実に4年前の私とは違う。
在りたい自分に向かっている実感はあるのです。

焦らず、楽しんで学んでいきたいです。

最後になりましたが、九州の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
皆様のご健康と安全と、一日も早い復旧をこころよりお祈り申し上げます。


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