人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.51「小さなときから多くの恩に生かされている」

vol.51 「小さなときから多くの恩に生かされている」

「己が目の 力で見ると 思うなよ 月の光で 月を見るなり」
法然上人

私にとって今年も暑い夏が終わりました。

私の実家が浄土宗のお寺なので、毎年、お盆参りを手伝わせてもらっています。
小学校に入る前からお手伝いをさせていただき、僧侶としての資格も取らせていただきました。

今年もお盆参りに檀家さんのところへ行くと、
「今年もきてくれたんだね」とか「年に一回しか会えないんだよねぇ」と
温かい言葉をいただきます。
私がまだ小さかった時は「次はどこのお宅へ行くの?」と次の家まで案内をしてくれたり、
豪華なお茶菓子を用意して待っててくれたりして、檀家の皆様には本当によくしていただいてました。

そして、それは恥ずかしながら40歳を過ぎた今でも続いているのです。

今年、とある老婦人の檀家さんのところへ行った時のことでした。
お参りが終わり、お茶をいただいている時、檀家さんが私の顔を
まじまじとみながらふいに言ったのです。

「随分と髪の毛がさみしくなったねぇ」
私は坊主頭ではないので頭のてっぺんの髪の毛が薄くなってるのが、
お経を読んでるとき、後ろから見ていてずっと気になったようです。
「ええ、そうなんですよ。40歳すぎてからどんどん薄くなちゃって・・・。」
「そうだ、ちょっと待ってて。」と言って立ち上がり二階へと上がっていき、
二本の小さな毛髪剤を手に降りてきたのです。
そして「よく効くらしいから使ってみて」とその毛髪剤を渡してくれたのです。

私はいつまでたっても皆さんの大きなお慈悲に包まれて生かされているのだなぁ
と感じるちょっと変わった経験でした。

私はこのような経験をして、いつもたくさんの方々に大きな恩をいただいて
生かされているのだな。私一人で生きてるのではないのだなと感じたのです。
とてもとても「恩返し」なんてできないぐらいの「恩」をいただいているのだなと
思うとただ感謝するしかないと思うのです。

以前、私の友人が母親を亡くしたとき、父と一緒にお通夜へ行ったことがありました。
その時に父が「私ができることはお経を読むことぐらいなんです」と言ったことを
子供心ながら「なんでそんなことを言うのだろう」と思ったことがありました。
でも今、父がそのときに言おうとしていたことが少し判ったような気がするのです。
「私にはたいしたことなんてとてもできない。お経を読むことしかできないんです。
それ以上のことは私には何もできません。あなたをどうすることもできないんです、
そんな力は私にはありません。」と。
私もいただいた恩を返すことなんてできない。
今、私ができることを一所懸命やるだけなんです。

大きな「恩」を感じることができたとても暑い夏でした。

筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 山田 隆任(やまだ たかとお)
http://www.ningenjuku.net/qualified-list/
編集後記

認定講師の山田隆任です。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。
私たちは知らず知らずのうちにたくさんの方の恩に生かされているのでは
ないのでしょうか。
それを気づくことができるのかがとても大切なのではないかと思うのです。
そしてその大きな「恩」をありがたく受け止め、そしてわずかながらでも
「恩返し」「恩送り」ができればいいのではないかと思います。
檀家さんにいただいた毛髪剤はありがたく使わせていただいています。
フサフサになった私の髪の毛を見せに行くことができればそれ以上に
うれしいことはありません。

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