人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.47 「潤身」

vol.47 「潤身」

「富は屋を潤し、徳は身を潤す。」『大学』

私も若かりし頃は富や地位や名誉を得るためだけに働いてきました。

つまり自分の夢の実現のために働いていたのだと思います。

しかし夢は For Me であり、私自身が欲しいもの、なりたいものに過ぎません。

どれだけ夢に近づき、財産を得たとしても、それだけでは人間力は養えません。

私は44歳のとき、部下育成で大きな挫折を経験しました。

そのとき、それまで追いかけてきた地位や名誉がすべて逃げていきました。

立派な家や高級外車を手に入れることもできませんでした。

自分の為だけに生きてきた人生のツケが回ってきたのでしょう。

では、自分の元には何も残らなかったのかと言えば、決してそんなことは
ありませんでした。

家族や親友、共に学ぶ朋友、私を受け容れてくれた現勤務先の社長など、
私にはたくさんの宝物があることに今更ながらに気付くことができたのです。

それに気づかせてくれたのは、一般社団法人人間塾の小倉広理事であり、
人間塾で出会った東洋の古典の数々でした。

せめてあと10年、いや5年早くこれらの古典に出会っていたならば、
私の人生はもう少し違った方向に進んでいただろうにと、はじめのうちは
後悔もしました。

陶芸家の北川八郎先生は、こう仰っています。

「この世を去るときに持っていけるのは、人に与えた悲しみと喜びだけである。」

私も、せめてこれからは人に喜びを与える人生を歩みたい。

そのために、微力でも良いから、若い人にこそ古典を知ってもらえる場を提供しよう。

そう考えて立ち上げたのが、古典を活学する読書会「潤身読書会」でした。

この「潤身」という言葉は、もちろん冒頭の『大学』にある言葉からの拝借です。

立派な家や高級車を乗り回すような財産は手に入らないかも知れないが、
我が身を潤し、周囲に喜びをふりまけるような徳を身につける人間になろう、
そんな想いを込めてこの言葉をお借りしました。

これが現在の私の志です。

志は For You, For Them であり、利他の精神が含まれる点で夢よりも
優れた概念だと言われています。

潤身読書会は、現在では私のホームグラウンドの名古屋だけでなく、
東京でも開催しています。

小さくて微力な志ですが、大切に育てていこうと思います。

筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 清水 裕一(しみず ひろかず)
http://www.ningenjuku.net/qualified-list/

編集後記

認定講師の清水 裕一です。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

今回は、私のライフワーク「潤身読書会」を紹介させて頂きました。

古典と呼ばれる書物は、若い世代にこそ読まれるべきです。
これから起る人生を上手に切り抜けて、幸せになるためには
必須の修得科目だと信じています。

人はなぜ学ぶのかということに関して、大変有名な『荀子』の言葉があります。

「君子の学は通ずるが為めに非ず。窮するとも困まず憂うるとも意の衰えず、
禍福終始を知りて心の惑わざるが為めなり」

訳せば、「君子の学問とは、立身出世のためにするのではない。
窮するときも苦しまず、幸福なときも驕らず、物事には始めがあれば
終わりがあることを知って、どんなときも平静な心で対処できる人間となる
ために学ぶのだ。」となります。

つまり、どんなときでも平静な心を保ち、人生を上手に生きぬいていくために、
学問が必要であるということです。

人生学講座とは、いまあるものに感謝をし、ダメな自分を好きになる実践を通して、
受講者の皆さん一人ひとりが、実は大いに満たされているのだということに、
気づいて頂くお手伝いをする講座です。

その結果として、受講者の皆さんは確実に、
禍福終始に遭遇しても、平静な心を保ちつづけることができるようになるはずです。

皆様と直接お会いできる日を楽しみにしております。


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