人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.44 「魔法を手に入れよう」

vol.44 「魔法を手に入れよう」

              行動するたびに
             叱られ、褒められて
              育った人間は、

              叱られるか、
            褒められるかしないと
             行動しなくなる。

             「よくできたね」
             と褒める必要はない。

             ただ「ありがとう」と
            感謝を伝えるだけでいい。

            感謝される喜びを知れば、
           自ら進んで周囲に貢献しよう
             とする人間になる。

                         アルフレッド・アドラー

先日、こんな出来事があった。

マンション住まいの私は、外出するとき、いつもマンションのエレベーターを利
用している。

その日も出勤のため、いつものようにエレベーターに乗り込んだ。エレベーター
が降下しはじめるとすぐ、下階に止まった。小学3年生ぐらいだろうか。おとな
しそうな女の子が乗り込んできた。

実は、私の出勤時間は小学校の登校時間帯と同じらしく、いつも小学生たちと同
じエレベーターになるのだった。

乗り込んできたその女の子は、エレベーターのなかの昇降ボタンがあるドア横の
パネルの前に立ち、黙って下を向いていた。「おはよう」と私が声をかけても、
女の子は下を向いたまま頷くだけ。もしかしたら「おはようございます。」と小
声でつぶやいたのかもしれない。でも、私には全く女の子の声は聞こえなかった。

さらにエレベーターは降下し、別の階で小学5年生ぐらいの男の子が乗り込んで
きた。今度はその男の子に「おはよう」と声をかけた。すると、男の子は少し驚
いた様子でこちらを見て、蚊の鳴くような声で「おはようございます。」と答え
た。それを聞いた私は「最近の子どもは、あいさつも出来んのか!」という頑固
オヤジが言いそうなお決まりの愚痴を思い出し、一人でニヤけてしまった。

その後、乗り込む人はなく、エレベーターは3人を乗せて降下した。

「イッカイデス」
女性の電子音声が流れ、エレベーターは1階に着き、ゆっくりとドアが開いた。

すると、すぐさま男の子はエレベーターから飛び出して行った。私はエレベーター
の一番奥に立っていたので、当然、昇降ボタンのパネル前に立っている女の子が
先に降りるだろうと思い、女の子が動き出すのを待っていた。

しかし、よく見ると、女の子は人差し指で「開」ボタンをしっかりと押し続けて
いる。そうか!その女の子は、私を先に降ろそうと待っていたのだ。

それに気づいた私は、急いでドアに向かって歩き出した。そして、ちょうど女の
子の横を通り過ぎるとき、「ありがとう」と感謝の気持ちを声に出して伝えた。

すると、どうだ。

その女の子の表情が、みるみる明るくなっていくではないか。
そして、明るい表情になったその女の子を見ていた私の方まで、うれしくなり、
なんとも言えない幸せな気持ちになった。

感謝の気持ちを伝えるという行動が良い結果を生み、その結果がさらに良い結果
を生む。この一連の連鎖が目に見える。誰にでもわかる。そして、みんなが幸せ
な気持ちになる。

今、私は「感謝を伝える」ことを日々続けている。

例えば、社内メール。部下からの報告メールを受け取ったら、必ず返信メールに
「ありがとう」と言葉を添える。レジでコンビニの店員さんに「ありがとう」と
告げてから商品を受取る。家に帰って、部屋がきれいに整理されていたら、妻に
「ありがとう」と労う。

「ありがとう」は、魔法だ。
「ありがとう」は、小さな幸せを実感できる魔法なのだ。

この小さな幸せ感を味わうと、感謝の気持ちを伝えることが、とても楽しい。

筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 鈴木 博史(すずき ひろし)
http://www.ningenjuku.net/qualified-list/

編集後記

こんにちは、人生学認定講師の鈴木博史です。

最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。

この間、理髪店に行ったときのことです。お店に入ったときは天気が良かったの
ですが、髪をカットしてもらっているうちに、雲行きが怪しくなり、空はどんど
ん真っ黒に。お店を出る頃には、大雨になり、まさにゲリラ豪雨になりました。
あまりにも雨が激しいので、しばらく理髪店の待合室で雨宿りをさせてもらうこ
とにしました。

しばらくして雨が小降りになったので、そろそろ帰ろうとソファーから立ち上が
りました。すると、理髪店のスタッフさんが「傘をお貸ししましょうか?」と尋
ねてきました。確かに、小降りになったとはいえ、外を行き交う人はまだ傘を差
しています。

「そうですか。では、お借りします。」と恐縮しながら答えました。

すると、理髪店のスタッフさんは、笑いを堪えながら、見慣れた傘を私に差し出
しました。そうです。その傘は、前回もこの理髪店で借りた同じ傘だったのです。
今回の来店時にスタッフさんに返却したばかりの傘を、またお借りすることにな
りました。「ありがとうございます」と感謝の気持ちを声に出して言うと、他の
スタッフさんまでも、クスクスと笑っていました。これも「魔法」ですね?

さて、来る7月20日の「海の日」に、私が講師を務める人生学2級講座を開催
します。
ご興味がある方は、ぜひ受講してみませんか。心より、お待ちしております。


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