人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.39 「 魚の釣り方を教えましょう」

vol.39「魚の釣り方を教えましょう」

「人に授(さず)けるに魚を以ってするは、漁を以ってするに如かず。」(老子)

私の勤務先にもTさんという優秀なセールスパーソンがいます。

Tさんは明るい性格で、後輩の面倒見もよいのですが、
なぜか彼の下についた後輩は思うように成長してくれませんでした。

その理由は、後輩が少しでもミスをすると、あとはTさんが引き受けて処理をしてしまう
ということに原因があるようでした。

これは後輩のためを思っての行為なのかも知れませんが、
本当はTさんにとってもその方が楽だからではないのか?

そう感じた私は冒頭の故事を活用して、Tさんに対して以下のようなメールを送りました。

(ここから)

Tさんには是非、名選手かつ名監督となってもらいたいと思っています。

自分で動くことでその場は片付いても、結局メンバーは育たず、
いつまでたっても問題を解決できないメンバーになってしまいます。

さらには、おいしいところを全部持っていかれるという穿った見方をして腐ってしまい、
やる気を失うメンバーも出てくる可能性があります。

中国の古典にこんな話があります。

ある人に魚を取って与えれば、その人はその場は飢えをしのぐことはできる。

しかしあなたという魚を与えてくれる人がいなくなれば飢え死にしてしまう。

一方、その人に魚の釣り方を教えてあげれば、あなたがいなくなってもその人は
ずっと食べていける。

魚を与えることと魚の釣り方を教えることの手間を考えると、
短期的には魚を与える方が楽でしょう。

しかしそれでは魚を取れるのはいつまで経ってもあなただけだ、というわけです。

仕事に置き換えても同じですよね。

Tさんにとっては、後輩が困っている仕事をTさんが替わりに片付けてあげる方が、
後輩に解決方法を考えさせ、自分で処理をさせるよりも迅速で確実でしょう。

しかしそれではいつまで経っても仕事を解決できるのはTさんだけです。

時間をかけてでも仕事に取り組む姿勢や考え方を教えてあげれば、
いつかはその後輩も立派な戦力となってくれるはずです。

Tさんがどんなに優秀なセールスであっても、同時刻に2つの場所で商談を進める
ことはできませんよね?

仮にTさんのレベルとはいかなくても、Tさんの分身として動けるメンバーが育てば、
Tさんのチームにとって売上増が望めるだけでなく、
我が社にとっても非常に大きな財産が増えることになるのです。

魚の釣り方を教える労力を惜しまず、思い切って後輩に仕事を任せて、たくさん勉強させてあげましょう。

後輩が失敗したときの謝罪は私が引き受けます。

(ここまで)

このメールを打ってから2年後の現在、
Tさんは「社内で最も情熱的に後輩を指導する」と評判のリーダーへと成長してくれています。

筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 清水 裕一(しみず ひろかず)
http://www.ningenjuku.net/qualified-list/

【 編集後記 】

編集後記

認定講師の清水 裕一です。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

今回は、私の最大のテーマである人材育成における大切な考え方について書きました。

世の中のビジネスリーダー達は自らがプレイヤーとして組織を率いつつも、
一方で人材育成を行わなければなりません。

忙しいリーダーとしては、人材育成に特効薬を求めたがりますが、
残念ながらそんなものは存在しません。

時間と労力を惜しまずに、一人ひとりの特性をよく見極めて長所を伸ばすという
泥臭い育成方法しかないのです。

つまり、リーダーは進んで自身の時間と労力と熱意を、
メンバーに与え続けなければならないのです。

ところが、心が満たされていない人は、他人に与えることなどできません。

まずリーダー自身の心が満たされて、はじめてメンバーに与えることが可能となるのです。

人生学講座とは、いまあるものに感謝をし、ダメな自分を好きになる実践を通して、
受講者の皆さん一人ひとりが、実は大いに満たされているのだということに、
気づいて頂くお手伝いをする講座です。

その結果として、受講者の皆さんは確実に、
「させていただく」(=与える)幸せを見つけることができるようになるはずです。

皆様と直接お会いできる日を楽しみにしております。

●ビジネスリーダーのための人生学2級講座:認定講師 清水 裕一 
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2015年5月30日(土)
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ブログ:

あなたらしさ発見人 レミさんの“自分らしく生きるための小さなヒント”
http://ameblo.jp/hiroshim6969/entry-11993223315.html

一日一斎
http://confucianism.blog.jp/


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