人間力を高める 一般社団法人 人間塾


vol.102「主体的に行動する」

賜や爾(なんじ)が及ぶ所に非ざるなり。
『論語』

これは『論語』公冶長篇にある言葉です。

賜というのは、孔子の高弟である子貢の名です。

かつて子貢は孔子に、
「生涯身をもって実行していくべき大切なひと言はありますか?」
と尋ねました。

そのとき、孔子は子貢にこう言います。

「其(そ)れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ」

訳せば、
「それは恕(思いやりの心)だろうな。
他人からされて嫌だと思うことは、自らもしないことだよ」
となります。

これを踏まえて別の場面で子貢はこう言います。

「我、人の諸(これ)を我に加うることを欲せざれば、
吾も亦諸を人に加うること無からんと欲す」

訳せば、
「人が自分に押し付けてくるのを望まないので、
私も人に押し付けるようなことはしません」
という意味になります。

これを聞いて孔子が発した言葉が上記の言葉になります。

「子貢よ、いまのお前さんにはまだ出来ることではないよ」

なぜ、孔子は今の子貢ではできないことだと断じたのでしょうか?

実はこの2つの言葉をよく味わってみると、
微妙なニュアンスの違いがあることに気づきます。

子貢の言葉には、他人から攻撃されたくないから、
自分も攻撃しないといった防衛的な意味が含まれます。
主体が相手にあるのです。

孔子は、
今の子貢ではいかなる状況にあっても
他人が攻撃する隙がないほどの徳は有していないと見ています。

したがって、仮に子貢が人を攻撃しなかったとしても、
相手が必ず攻撃してこないとは限らないと判断したのです。

では、最初の孔子の言葉はどうでしょうか?

孔子の言葉には、自分が望まないことは決して他人にも行わない、
という主体的な自分への戒めが含まれています。

そこに具体的な対象となる人は存在していないのです。

過去と他人は変えられないと言います。

まず、自らが主体的に行動することが大切なのです。

筆者:一般社団法人 人間塾
人生学認定講師 清水 裕一(しみず ひろかず)
http://www.ningenjuku.net/qualified-list/

発行人: 一般社団法人 人間塾 代表理事 小倉 広(おぐらひろし)
http://www.ningenjuku.net/company/
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編集後記
認定講師の清水裕一です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

今回も『論語』の一節を取り上げてみました。

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<大阪>
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日時:1月29日(日)10:00~16:30
  場所:第6松屋ビル
(地下鉄谷町線/中央線「谷町四丁目」駅 徒歩4分 8番出口)
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<名古屋>
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日時:未定
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